競馬の血統はレアでも見逃せない!マイナー血統でG1を勝利した名馬を紹介

血統

競馬はブラッドスポーツです。要するに、強い馬の子供は強くなる傾向にあるという訳です。しかし、父母が全く活躍していなかった馬の子供が、思わぬ活躍を見せるケースもあります。普段見る事がないレアな血統の親を持つ馬であっても、歴史的に名を残す名馬になったという事も過去には何度もある訳です。

という訳でこの記事では、父母が有名な馬でないにも関わらず、歴史的な名馬になった馬をまとめて紹介していきます。ブラッドスポーツである競馬で親が強ければ強くなるとデータでも証明されている競馬ですが、決してレアな血統の馬が活躍できないという訳ではないのです。

レア血統で勝ちまくった名馬をまとめて紹介

確かに競馬にはブラッドスポーツと言われている位なので、血統はとても重要な予想ファクターのひとつになります。実際に新馬戦などは血統である程度のオッズは決められていきますし、競走馬になってからも血統が良い馬が重賞レースの大半を占めるというのは見慣れた光景になってきましたよね。

しかし中には、全く有名ではない馬を両親に持ちながら、レアな血統でありながら重賞レースで沢山勝利した馬が多くいます。ここからはその中でも特に有名な代表的な馬を紹介していきたいと思います。

オグリキャップ

競馬ファンはもちろん、もしかしたら競馬を一度も見た事がないという方でも一度は名前を聞いた事があるかもしれないオグリキャップ。笠松競馬場という中央競馬ではない地方競馬でデビューを飾り、重賞5勝を含む8連勝を記録して中央競馬へ移籍します。移籍してからも活躍は続き、G1の4勝を含む重賞12勝を記録。中央競馬で活躍していた時は、イナリワンとスーパークリークと共に平成三強と称され、第二次競馬ブームの火付け役となった伝説的な名馬です。

これだけ強い馬だったら血統もさぞかし良いだろうと思ってしまうかもしれませんが、実は全くそんな事はありません。オグリキャップの父はダンシングキャップ、母はホワイトナルビー、強く力が遺伝されると言われている母父はシルバーシャーク。中央競馬好きの方からすると、3頭とも全く耳にした事がないという方が多いでしょう。

オグリキャップの父であるダンシングキャップはアメリカ出身の競走馬で、1200メートルから1600メートルのレースで5勝しましたが一度も重賞を優勝する事はできませんでした。1972年11月に日本へ輸出された後はダートに強い馬を産むという事で重宝され、特に地方競馬で活躍する馬を多く輩出。大物産駒は1頭もいなかったのでオグリキャップの活躍は突然変異とも言われています。

母父であるシルバーシャークはフランスで競馬人生を歩んだ馬で、ムーラン・ド・ロンシャン賞、イスパーン賞、アベイ・ド・ロンシャン賞などの大レースを優勝した実績を持つ名馬でした。という訳でオグリキャップの活躍は、母父であるシルバーシャークの隔世遺伝ではないかと言われています。

メイショウドトウ

現役時代は宝塚記念を制覇。覇王と言われたテイエムオペラオーの最大のライバルとして知られているメイショウドトウもまた、全く無名の父母から誕生した名馬として有名です。メイショウドトウはG1は宝塚記念のみの優勝ですが、何が凄いってそのレース結果です。

まず初めての宝塚記念で2着、天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念と連続して全て2着。1着は覇王と言われたテイエムオペラオーです。要するにこの馬さえいなければメイショウドトウは全て1着だったと言う、生まれた時代さえ違ければ…と悔やまれる馬であると同時に、だからこそここまで高い人気を誇っている馬であるという事も言えます。テイエムとは6度目の対決で初めて勝ち、それが宝塚記念でした。

アイルランドで生まれたメイショウドトウの父は Bigstone、母はプリンセスリーマという馬です。ちなみに母父はAffirmed。ちなみに母父であるAffirmedは伝説的な名馬として有名で、獲得賞金額の世界レコードをその当時更新した事で知られています。しかしながら父母は全くの無名で、メイショウドトウは500万円という破格の安さで取引されます。

全くのマイナー馬から誕生したメイショウドトウは期待されることなく500万円で取引されますが、結果は約9億円の賞金を獲得する馬となりました。超絶マイナー血統で誰にも期待されることなく取引された馬が、まさか一時代を築く馬と対等に渡り合うライバルになり、更にグランプリで優勝する名馬になると誰が予想したでしょうか。レアな血統であっても、こういった馬が出てくるかもしれないというロマンは競馬の醍醐味の一つでもありますよね。

セイウンスカイ

レアなマイナー血統で活躍した名馬紹介で、最後に紹介したいのはセイウンスカイという馬です。往年の競馬ファンであれば名前を聞いただけで思い出す、そんな一時代を築き上げた名馬中の名馬であるセイウンスカイ。

スペシャルウィークやキングヘイローと言った猛者を相手に皐月賞と菊花賞の二冠を達成し、菊花賞では当時の芝3000mの世界レコードを樹立します。ここだけ聞けばまさに時代を代表する名馬中の名馬ですが、セイウンスカイもまた、両親の血統には全く恵まれていないマイナー血統出身の馬なんです。

父馬はシェリフズスター、母馬はシスターミル、母父はミルジョージという馬がセイウンスカイの両親です。誕生当時の西山牧場は、創業者である西山正行の方針により最大246頭もの繁殖牝馬と種付け料が安価な種牡馬の産駒を中心に大量生産という体制をとっていました。その為に管理費が膨大になり、血統更新の停滞などで経営は非常に悪化しています。ほとんどの馬を売却、処分していた牧場で、セイウンスカイの父も産駒が活躍しないので廃棄されることがほぼ決まっていました。

セイウンスカイもまた、生まれた時や育成段階では特に目立つ存在という事ではありませんでした。当初入厩先として話を進めていた栗東のとある調教師は、セイウンスカイを受け取りにこなかった位です。しかし2歳馬になってから少しずつ様子が変わっていき、3歳の頃にはバランスが良くなってきた反面、激しい気性を表すようにもなりました。これは走ると核心を抱いたのは2歳の頃。

その後の活躍は皆さんご存知の通り素晴らしい走りを見せる結果に。大きなレースで1着や2着に入る好成績を残し、皐月賞では並大抵の相手ではない素晴らしい豪華メンバーを相手に勝利。西山牧場にっとては初のクラシック制覇となり、同時に鞍上の横山騎手にとっても初のクラシック制覇となったのです。

まとめ

競走馬のロマンはこんな所にも!?というような面白い血統の話を紹介させて頂きましたがいかがでしたか?

確かに強い馬の子供が順当に強いのも面白い所ではあります。ディープインパクトの子供がディープの再来のような強さを見せるのは皆の心をワクワクさせ、ドキドキさせるものです。しかしながら、それが競馬の全てだという訳では全くなく、弱い血統であったりレアな血統、地味な血統の中から突然変異のように強い馬が出てくるというのも競馬の面白さの醍醐味でもあります。

最近ではディープ産駒、カナロア産駒、オルフェ産駒など、強い馬の子供が順当に強いという結果しか出ていません。そもそも上記の馬のようなマイナー血統の馬の中から突然変異のような強さを発揮する馬は早々でてきません。

しかし今後も、このような地味な血統で強い馬の誕生を我々は期待してしまいますよね。