競馬の血統について気になっている方であれば、競馬において血統が如何に重要であるかということをご存知の方も多いのではないでしょうか?
有名な言葉に「競馬はブラッド・スポーツである」というものがあります。そのため、競馬では血統についての研究が進められてきました。
近年の研究によれば両親の遺伝の影響は約33%で、残りの約66%は生後の仔馬が過ごす環境や妊娠中の母体内の影響であるとされていますが、それでも3割以上は血統が影響するというのが事実として知られています。
競馬という競技は歴史が長く、今までに数多くの血統理論が発表されてきています。この記事ではそんな血統理論の中でも特に注目すべき5つの理論についてご紹介していきたいと思います。
また、血統理論を予想に活かすための方法もご紹介いたしますので、競馬の血統が気になる方、これから血統を予想に活かしたいとお考えの方は是非参考にしてみてください。
目次
競馬の血統について
競馬において血統は非常に重要で、競走馬の生産者も血統を意識して交配を行いますし、馬主も競走馬を購入するときには血統を意識して購入を行い、血筋の良い馬の場合、セリでの価格も高騰します。
また、血統は競馬ファンがレース予想を行う時にも重要な予想ファクターとして考えられています。
競馬の血統では種牡馬について語られることがほとんどですが、実は近年の研究によれば競走馬の素質は母馬からの遺伝が55〜60%、父馬からの遺伝が40〜45%であるということがわかっています。
競馬の血統理論5つを紹介!
競馬には長い歴史があります。その歴史の中で血統理論はいくつも発表されてきており、主に下記のような血統理論があります。
- フィッツラックの18.75%理論(奇跡の血量)
- ブルース・ロウのフィギュアシステム
- ゴルトンの法則
- ロバートソンの理論
- ベッカーの理論
- マリアンナ・ホーンのXファクターとダブルコピー牝馬
- ラスムッセンとフェイヴァシャムのラスムッセン・ファクター
- ヴュイエのドサージュ理論
- フランコ博士によるドサージュ理論
- ティーヴ・ローマンの改良型ドサージュ理論
- 五十嵐良治・久米裕のI理論
- 笠雄二郎の配合理論
- 武市銀治郎の血の活性化論
- 中島国治の「0の遺伝」理論
- 宇田一の交配形式の理論
- BLUP法
ここからはこのような数々の競馬理論の中でも特に注目すべき競馬理論を5つ厳選してご紹介していきたいと思います。
競馬の血統理論について知りたいという方は参考にしてみてください。
1、フィッツラックの18.75%理論(奇跡の血量)
Fujica フジカ 38mm f/2.8 35mmは今の日本でも人気のある理論で近親交配を行う場合の方法論として活用されます。
「奇跡の血量」として知られているため、血統に関心をお持ちの方はご存知かもしれませんね。
フィッツラックの18.75%理論は近親交配を行った場合に「ある特定の祖先の血量の和が18.75%になったとき、優秀な競走馬が生まれる可能性が高い」という内容の理論です。
奇跡の血量と言えば「3×4」ですが、これは3代前と4代前に共通の祖先が現れる際に18.75%となるためです。
単純な方法論であること、また、活躍している優秀な競走馬の血統がこの奇跡の血量であることから日本では人気の高い理論です。
正確な記録こそないものの、日本ではトキノミノルが活躍した際にこの理論が知られるようになり、この理論に合致する競走馬としてはトウショウボーイやコダマが知られています。
2、ブルース・ロウのフィギュアシステム
ブルース・ロウのフィギュアシステムは1895年にオーストラリアで発表された理論です。
理論を発表したブルース・ロウは当時のサラブレッドをさかのぼり、イギリスのセントレジャー、オークス、ダービーの優勝馬の数が多い系統を順番に並べ、さらにその数の多いものから番号(1〜43号を振りました)
この番号をファミリーナンバーといいます。
最も優れた競走馬の系統を競走族(1〜5号)、優れた競走馬の系統を種牡馬族(3、8、11、12、14族)と読んで、種牡馬能力の優秀さと競走馬の高さは必ずしも相関関係にあるわけではないということを明らかにしました。
理論の発表から長い年月が経過していることもあり、この理論そのものが重要であるとされることは少ないものの、サラブレッドを分類する際にファミリーナンバーを活用することは便利であるため、今でも多く使われています。
3、マリアンナ・ホーンのXファクターとダブルコピー牝馬
競走馬の能力には心臓のサイズ(心臓の一回拍出量)が大きな影響を及ぼすことが知られていますが、それは性染色体の中でもX染色体によって決定されており、性染色体に依存する遺伝形式であるということを明らかにしたのがこの理論です。
父馬よりも母馬の方が生まれてくる仔馬の心臓の大きさに与える影響が大きいという研究が既に発表されており、それを一般向けにわかりやすくしたのがマリアンナ・ホーンのXファクターとダブルコピー牝馬です。
また、優れた牝馬を父と母両方のX染色体径路上に複数配置して生まれてきた牝馬は自身、もしくは産駒や孫が高い能力を発揮するという理解にもつながりました。
4、五十嵐良治・久米裕のI理論
五十嵐良治・久米裕のI理論は競馬研究家として知られる五十嵐良治による理論で、下記のような血統理論を週刊競馬ブックで披露しました。
「サラブレッドの競走能力の遺伝は、父の血統と母の血統に、それぞれ存在する同一の祖先によってのみ行われる。したがって、これらの同一の祖先こそ、サラブレッドの競走能力を遺伝させる遺伝因子なのである」
引用元:Wikipedia
分析した馬をクロス馬と定義し、その出現傾向で名血であるかどうかを判断しました。
この五十嵐良治による理論を「I理論」と名付けて広げたのが久米裕で、書籍を出版しただけでなく「血統コンサルタント事業」として馬主や生産者に向けたビジネスを開始しました。
良血ではないオグリキャップやビワハヤヒデが優れた血統構成を持っているということを説明したことなどで評価を高めた理論です。
5、BLUP法
現在の主流がこのBLUP法(Best Linear Unbiased Predictor)です。
遺伝について予測を行うときに、4つの難題が存在していました。簡単に言えば、下記のようなものです。
- 後天的な影響も影響する
- 血縁関係を考慮しなければならない
- 処分されてしまうらめ能力の低い個体のデータが取れず、データが偏る
- 飼養環境にばらつきがあるため条件の揃ったデータを得られない
BLUP法では能力評価を行い、優秀な個体同士を配合するという豊富で、日本では1985年に乳牛から本格的な運用が開始されました。
競走馬でいえば、産駒や孫などに遺伝する部分のみを取り出して評価することが可能というものです。
血統理論を馬券購入に活用する方法
血統理論は難しいですが、血統を馬券購入に活用する方法はシンプルです。
それは血統の系統で分けて、その傾向から予想するというもの。
- サンデーサイレンス系…マイル以上の距離で活躍することが多くスピード型が多い
- ナスルーラ系…スピード能力が高い
- ネイティブダンサー系…ダート活躍馬が多い
- ノーザンダンサー系…短距離~中距離で活躍する
- ターントゥ系…中距離以上で活躍することが多い
簡単に馬券予想に活かすことができるため、是非実践してみてはいかがでしょうか。
まとめ
競馬の血統理論と血統を馬券購入に活かす方法をご紹介させていただきました。
血統は競馬において非常に重要なものであり、予想に活かすこともできるファクターです。是非血統を予想に取り入れてみてはいかがでしょうか。